建築現場や工場などで長時間立ち仕事をしていると、足裏の疲労や膝痛、腰痛、ムレやニオイなどの様々な問題がおこります。
そこで今回は、建築現場歴20年以上の筆者が実体験を交えて、安全靴用インソールの選び方とおすすめタイプを解説します。
安全靴インソールが必要な理由
安全靴はつま先保護や滑り止め性能は優れていますが、標準の中敷きはクッション性や通気性が不十分なことが多いです。
そのまま使い続けると、以下のような問題が起きやすくなります。
- 足裏の疲労・痛み
- 腰痛や膝への負担
- ムレやニオイの発生
- 足のアーチの崩れによる姿勢悪化
私自身、現場で朝から夕方まで動き回る生活を続けた結果、腰痛や膝痛で歩くのも辛い時期がありました。
また仕事終わりの足から悪臭を発し様々な方に不快な思いをさせていました。
インソールを交換したことで、疲労感がかなり軽減され、作業効率も向上し悪臭を発することも軽減されました。
インソールの用途目的別、種類と特
用途目的 | 素材 | 特徴 |
---|---|---|
疲労軽減・衝撃吸収 | EVAフォーム, ゲル素材 | クッション性が高く長時間作業で足腰の負担を軽減。立ち作業・歩行が多い現場に最適。 |
姿勢改善・アーチサポート | 硬質プラスチック+フォーム | 土踏まずを支えて正しい姿勢を促す。長時間の立位での腰痛予防にも有効。 |
防臭・抗菌・衛生 | 活性炭入りフォーム, 銀イオン加工 | 防臭・抗菌効果で衛生的。汗をかきやすい夏場や長時間履きっぱなしの作業に向く。 |
耐熱・断熱 | アルミ蒸着シート, 耐熱繊維 | 地面や環境からの温度変化を緩和し、低温や火花による熱を和らげる(完全遮断ではない)。 |
耐久性重視 | ポリウレタン+繊維補強 | 型崩れしにくく、重量物や過酷な現場に対応。 |
滑り止め強化(靴内) | ラバーコーティング底面+EVA | 靴内部で足が動くのを防ぎ、踏ん張りやすくする(外部の滑り止めとは異なる効果)。 |
踏み抜き防止 | ステンレスプレート, ケブラー繊維 | 釘や金属片から足裏を保護。 ※多くは安全靴本体に内蔵され、中敷き単体タイプは選択肢が少ない。 |
多機能型 | EVA+ゲル+抗菌加工+アーチサポート+踏み抜き防止プレート | 複数機能を兼ね備えた万能タイプ。 ※全機能搭載モデルは高価かつ種類が限られる。 |
補足ポイント
- 踏み抜き防止タイプは中敷きよりも安全靴本体内蔵型が主流。単体中敷きは少数派。
- 耐熱・断熱タイプは高温・低温を完全に遮断するわけではなく、あくまで「和らげる」効果。
- 滑り止め強化タイプは靴内での足ズレ防止であり、床面の滑り防止は別途対策が必要。
- 多機能型は便利だが高価で重くなる場合があるため、作業環境に合わせて選択することが重要。
おすすめのインソール
- アシマルメンズコンフォートⅡ
特徴:
標準的なアーチをキープできるバランスの良いインソールです。特に立ち仕事用として人気があります。人肌に似た弾力スポンジで快適なクッション性とサポート力を実現。足膝腰カカトの負担を軽減します。立ち仕事、安全靴での労働、ウォーキングなどに。
引用元:Ashimaru公式HP
- 抗菌ハニカムインソール
特長:
・優れた弾力性を保持するユニチカテクノス製のハニカム生地を使用した
インソ-ルです。
・直接肌に触れるシーツ等に使用される安全な抗菌・抗カビ剤である
マルカサイド®YP-DPを使用し、足のニオイの原因となるイソ吉草酸を
減少させ、足元を爽やかに心地よく保ちます。
・ハニカム生地の体圧分散効果により、血行を妨げにくいので、疲労軽減が
期待できます。
・ハニカム構造が空気を多く含むので、冬はあたたかく感じます。
・裏面にすべり止め加工を施し、靴の中でずれにくくなっています。
・20~28.5cmに対応します。付属の台紙で好みのサイズにカットできます。引用元:丸和ケミカル公式HP
選び方のポイント
- 疲労軽減:
クッション性の高いインソールを選ぶことで、長時間の立ち仕事や歩行による足裏・脚・腰への衝撃を吸収し、疲労の蓄積を抑えられます。結果として集中力の維持や作業効率の向上が期待できます。 - 腰痛・膝痛などの予防:
正しいアーチサポートや姿勢補正機能があるインソールを使うと、足の骨格バランスを整え、歩行や立位時の負担を軽減。これにより腰や膝への過剰なストレスを防ぎ、慢性的な痛みやケガの予防に繋がります。 - 消臭・衛生:
抗菌・防臭効果のある素材を選ぶことで、汗や湿気による菌の繁殖を抑え、靴内の不快な臭いを軽減。清潔な環境を保つことで皮膚トラブルや感染症のリスクも下げられます。 - 安全対策(踏み抜き防止):
踏み抜き防止機能は安全靴本体に内蔵されているプレートが主流で、中敷き単体の踏み抜き防止は限られています。インソールのみでの安全対策は不十分な場合が多いため、靴本体の性能も必ず確認しましょう。 - 環境・作業内容に合わせた選択(滑り止め):
インソールの滑り止め効果は「靴内部での足のズレ防止」に限られます。床面や外部の滑り防止とは異なり、床が滑りやすい現場では防滑底の安全靴や滑り止めカバーの使用が必要です。
現場歴20年の実体験レビュー
私は夏場の建築工事現場で、抗菌ハニカムインソールを使用しました。
以前は作業終了後に靴を脱ぐと強烈なムレ臭がしていましたが、このインソールに替えてからはかなり改善。
冬場でも現場では季節や作業内容でインソールを使い分けるのがベストです。
よくある質問(FAQ)

インソールはどのくらいで交換すべきですか?

目安は2〜4か月。へたりや変形、臭いが取れない場合は早めの交換がおすすめですよ。

市販のインソールは安全靴に合いますか?

多くはカットして調整可能。ただし厚みがあるタイプは靴内のフィット感に注意が必要ですよ。

洗って再利用できるますか?

洗えるタイプもありますが、乾燥に時間がかかるため、予備を持って交互に使用するのがおすすめです。
まとめ
- 安全靴の快適性はインソール次第で大きく変わる
- 姿勢改善、防臭抗菌、耐熱・断熱、耐久性、靴内内部滑り止め強化、踏み抜き防止、多機能型の7タイプ選択して選ぶ
- 季節や作業内容で使い分けるとより効果的
- 交換目安は2〜4か月
快適な足元環境は、作業効率だけでなく安全性にも直結します。
まだ純正インソールのまま使っている方は、ぜひ交換を検討してみてください。